ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「リアちゃん、水嶋……さんと何もなかったってこと?」

「え? あー、水嶋さんですか」

「だってこんなもんかって言ってたのに……」


リアちゃんの返事が私の言ってることを肯定してるんだって分かったから、思わずそんな疑問が漏れてしまった。

リアちゃんは私が言ってる意味が分かったのか可笑しそうにクスッと笑って言った。


「違いますよー。こんなもんかって言ったのは現実なんてこんなもんかって意味です」

「現実って?」


リアちゃんには悪いけれど心のどこかで安堵している自分がいた。

だけどその後に続いたリアちゃんの台詞は、そんな私に頭上から隕石を落としたような衝撃を与えた。





「水嶋さん、彼女がいるらしいんですよ」




< 142 / 226 >

この作品をシェア

pagetop