ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
にこっと嬉しそうに笑った顔に心拍がひとつずれる。

途端に照れくさくなって視線を外すと食べることに集中した。


食べるのが早い水嶋の為にお代わりは私が取り皿に入れた。

取り分けあいっこなんて仲の良いカップルみたいでどうかと思ったけれど、いつまでも見てるだけというのも性に合わない。


そして水嶋はそんな私のことも見抜いてるみたいだった。


「日向って案外、世話焼きなんだよな」

「……何、急に」

「高校の頃、学校行くとき子犬に弁当分けてたろ」

「……は?」


突然の昔話に目が点になった。


確かに学校へ向かう途中の川沿いに捨てられた子犬にエサをやっていたことがある。

だけどそんなの誰にも話したことなかったのに……。


「なんで? ……見てたの?」

「偶然ね。俺んちあの近くだから」

「……すごいね。エサあげてたのなんて2週間くらいなのに」


私が感心したように言うと水嶋は一瞬、迷うように黙った後、口を開いた。
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