ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
私が相手もいない恋愛事情を暴露するのが意外だったのか、父さんは初めてこちらを振り返った。

強い瞳と目が合う。


それは肉食獣の射るような視線と似ている。

私はこの目と合うと動けなくなるから。


「もう26だけど焦りたくない。仕事してちゃんと恋愛もして、それから結婚したい」


精一杯の自分なりの強い目線で返した。

しばらく睨み合うかのような目線での攻防があったと思う。

父さんは一歩も動かないから、私が一方的に頑張ってただけだけど。


冷戦は父さんが視線を逸らしてまた前を向いたことで、それは終わりを告げた。

見捨てられたのか認められたのか、試験結果を待つような気持ちで判決を待つ。


「……今度こそまともな相手を連れてきなさい」

「え……」


意外すぎる返事に思わず声が出た。

まともって。

父さんが思うまともは光浦さんみたいなエリートでしょう?
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