ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「はい……」

「ちゃんと仕事してるのか」

「……してる。派遣だけどちゃんとした会社で働いてるよ」


ゴクッと湯のみのお茶を飲み干す音。沈黙。

息苦しさを逃すようにそっと息を吐いた。


「結婚はどうするんだ」


仕事の話は終わった。

何も言わなかったということは認められる範囲であったということ。

ひとつハードルをクリアできたけれど、ホッとする間もなく核心の質問が飛んでくる。


「いい年した娘がいつまでフラフラしてるつもりだ」


こうして畳みかけられるように言われると、上からギュウギュウ押し込められているみたいで苦しくなる。

何も言えなくなる。


だけど丸くなって自分を守ってるだけじゃ、変われないんだ。


「好きな人がいます」

「……まともな相手なんだろうな」

「付き合ってるわけじゃない。だからすぐに結婚相手を父さんに紹介はできないと思う」
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