ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
エピローグ
◇◇◇


薄暗い部屋に月明かりが差し込む。

ブラックのベッドシーツ。ダークブラウンのフローリング。


目覚めて初めて見たときは、ただ見知らぬ部屋にいることにビックリしたっけ。


あのときの衝撃を思い出してクスリと笑うと、「なに?」と囁かれた。


「ううん。なんでもない」

「日向、余裕じゃん」

「余裕じゃない、ただ嬉しいだけだよ」

「ん? なにが?」

「水嶋のこと好きになって。またこの部屋に戻って来れるなんて思わなかった」


あれから私達は水嶋のマンションに一緒に帰ってきた。

本当はあの場でキスをしてベッドに押し倒されて、いい雰囲気になってたんだけど。

さすがに実家はないよねって二人とも我に返って照れ笑いをした。


「そんな可愛いこと言うとヤバいんだけど」

「ん?」

「日向のことめちゃくちゃに抱きたい」

「……」
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