ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
深く入れられる長い指の感触に、恥ずかしくなりながらギュッと目をつぶって快感に耐える。

漏れる吐息を逃がして薄く目を開けると、水嶋が熱い瞳で私を見ていた。


「んっ……。な、に……っ?」

「いや、マジで良かったと思って。日向のこんな顔、ヤギが見てなくて」

「……も、もうっ! あんっ」

「あー、ほんと良かった」


――こんな顔アイツにも見せた? っていうあのときの言葉が、

まさか光浦さんじゃなくて八木原くんのことを指していたとは。


私のこと、そんな軽い女だと思っていても見捨てずに、一生懸命前を向かせようとしてくれてたんだね。

改めて自分がどれだけ大切に思われていたかを知る。


「あっ……、水嶋……っ」

「ハヤタって呼べって言ってるだろ」


水嶋だって日向って呼んでるくせに。

そう思ったけれどそこまで話せる余裕もなく、私は甘い声の合間に彼の名前を呼んだ。


「ハヤタ……好き……」
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