ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
年はたいして変わらないはずなのに、自分が先に社会に出たってだけで、相手がずいぶん幼く見えるから不思議だ。


どうみても学生。

親のスネかじって遊んでますってオーラがバリバリ出てる。


大学生の一夜の遊び相手になるなんて絶対、嫌!


「もう終電ないでしょ。俺、車持ってるから送ってあげるよ?」

「結構ですー」


家に帰りたくないんだってば。

そんなことを言ったら彼が調子づくことは目に見えてるから、つーんとそっぽを向いて構わず歩き続けた。


それなのに腕をつかむ手の感触は消えない。

彼はニコニコと笑って私と一緒に歩いている。


「ね、いくつ? 俺はね、22だよ。一緒くらいだよね」
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