ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
彼をオトす作戦
水嶋に言われたことは正直、気になっていた。


だけどどういうつもりなのか分かんない。

高校のときみたいに、皆で楽しく遊ぶような仲になればいいじゃんってことだろうか。


寝たり、キスしたり。

水嶋にとっては気まぐれで、気にするほどでもない些細なできごとだって言いたいんだろうか。


私にとっては……、そうじゃないっていうのに。


「あぁー、わっかんない!」


パソコンの前で頭を抱え込むと、隣の席のリアちゃんが

「分かる。数字ばっか見てると頭おかしくなりますよね」

と同意してくれた。


「え? あぁ、うん。おかしくなる」

「ね、ところで今日の夜、大丈夫だよね?」

「……大丈夫、じゃないと思う。多分」


タメ口と敬語が混ざるリアちゃんの口調に苦笑しながら、重い口を開いた。
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