恋愛ごっこ
 しばらく無言で私たちはお弁当を食べていたが


「…なぁ

めぐの好きな人ってやっぱ裕貴やんな?」

「!!」

突然の不意討ちに私は対応しようと言い訳を探す

「…そんなわけないじゃん」

でも叶恵は私の言葉など気にせず

「今さっきのめぐの反応を見とって

気づかんほどあたしは鈍感ちゃうよ」


…確かに私は裕貴を意識している

でもそれは好きだからじゃない

ただ…

彼と居ると平常心を保てなくなる


…それだけのことだ

…理由も分かっている


 三年前のあの事件が全ての原因だ…


あの事件のせいで

私は恋という感情が分からなくなってしまった

「私が・・・

松本君を好きになるなんてあり得ないよ…」

私は叶恵の目を見て言った

「…なんで?」

叶恵は三年前の事件を知らない

でも私は過去の事件の話を

叶恵に話す気にはなれないだから私は…

これ以上追求されないために


「…絶対に告白して

彼氏つくるよ

そうしたら

私が松本君を好きじゃないって信じてくれるよね?」

「え…めぐ?」


私は叶恵に彼氏宣言をした

彼氏がほしいからじゃない

私が…裕貴を好きじゃないっていう証明のためだ


~第1話完~
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