恋愛ごっこ
違和感を感じたのか裕貴はじっと私の顔を見つめる

彼に見つめられ嘘の笑顔が崩れそうになった時

教室の開いていた窓から強い風が吹き込んできた

まるで私の表情を隠すように

長い髪がなびき髪を抑える手で裕貴から顔を隠した

風が止まるのとほぼ同時に廊下から


「裕貴~☆中庭行こ!!」

声の主はもちろん川原さんだ

「ああ、今行く」

裕貴は返事をすると

私に背を向けて廊下に走っていってしまった



 
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