もし・・・。

絆創膏

「あ〜あ、ちょっと来て」
「くそっガンガンするわ」
「当たり前」
私は、京也の手をひっぱり京也の部屋へ連れていく
「絆創膏、一枚1万円だから」
「はぁ、たけぇよ」
「じゃ、絆創膏家にあんの?」
「ない」
私は、自分の鞄から取り出した絆創膏を剥がしながらティッシュで傷口をふく
「いってぇ、もっと優しくしろ〜」
「つべこべ言わん」
すると、私が両手で絆創膏を貼ってる間に京也が私の頬をつねる
「いった」
ニッと笑って
「これより、もっと痛いんだぞ」
「しらんよ、そんなん」
ムカッとする
どうして、こんなことする理由があるんだ
「おわった。臭い」
私はある異臭に気づいた
「えっ、俺?」
京也は自分の服をクンクン嗅いでる
「あれ」
私はさっきのココアがいたところを指差す
「忘れてた」
「帰る」
「えっ?なんで?」
「臭いし、用済んだし」
「そうか、これありがと」
また、満面の笑みだ
こいつの武器か?
「どうも」
「送ってく?」
「冗談?」
「いいえ」
「いい」
短い言葉のやりとりを最後に部屋をでた
そしてもと来た道を帰りながら、まだ少し残る、手の感覚を思い出してた
< 12 / 13 >

この作品をシェア

pagetop