Platinum Kingdom【完全完結】
抱き締められると、心地よい爽やかなシトラスの香りがほのかに香る。
…それと同時に、遥翔の鼓動が聞こえる。
一定のリズムではなく、すこし速い心臓の音。
「心臓の音が速いよ?遥翔…」
「そりゃそうだろ。
…こっちは気が気じゃなかったんだからな」
「え…?」
気が気じゃなかった、って何で…?
「どこかのお嬢様が勘違いして私からお逃げになりましたからね」
どこかのお嬢様…?
勘違い…?
…って、
「…って私のこと!?」
「他に誰がいんだよ」
完璧なタイミングで突っ込まれた。
勘違いって、
「何が、勘違いなの?」
「…あのなぁ」
呆れたような表情で私を見る、遥翔。
だってわからないものは仕方ないでしょっ。