君ニ恋シテル
扉を通り抜け店内に入ると、ガラス越しに見ていたのと同じ、ガラーンとした景色が目に入る。
ほんとに誰もいない…。
明るい店内、すべてのテーブルが空席。
その光景は凄く滑稽で、不可思議に見えた。
「ねえ…やっぱりやめようよぉー。ここ絶対おかしいって。
怖いよ…。」
亜紀ちゃんは店内を見渡し、イヤそうな顔をする。
おかしいかな…?
でも、怖いとは思わない。
なんというか…店内からは温かさを感じた。
ガランとしてるんだけど、どこかホッとするような、そんな不思議な感覚。