君ニ恋シテル


扉を通り抜け店内に入ると、ガラス越しに見ていたのと同じ、ガラーンとした景色が目に入る。

ほんとに誰もいない…。

明るい店内、すべてのテーブルが空席。

その光景は凄く滑稽で、不可思議に見えた。


「ねえ…やっぱりやめようよぉー。ここ絶対おかしいって。
怖いよ…。」

亜紀ちゃんは店内を見渡し、イヤそうな顔をする。


おかしいかな…?
でも、怖いとは思わない。

なんというか…店内からは温かさを感じた。

ガランとしてるんだけど、どこかホッとするような、そんな不思議な感覚。
< 179 / 679 >

この作品をシェア

pagetop