君ニ恋シテル
「なんか、冷たそうな人達だね。
あの女の人も厨房の男の人も」
亜紀ちゃんがポツリと呟く。
冷たそう…。
そうだ、それだ。
美男美女なんだけど、凄く冷たそうで、人を寄せ付けない雰囲気を醸し出しているように見えた。
だけど…
「悪い人達には見えないよね…?
怖い感じはしないし」
「まあ…とりあえず座ろうー。もうお腹限界ー!」
亜紀ちゃんはそう言うと、窓際の席へと向かった。
お店の雰囲気は温かくて、店員の雰囲気は冷たい…。
その温度差に、私はさらに不思議な感覚を覚えた。