君ニ恋シテル
「ご注文はお決まりでしょうか?」
テーブルにつきしばらくすると、あの女の店員さんが注文を聞きにやって来た。
「あっ、はい…えっと」
なぜかわからないけど、緊張してうまく話せない。
冷たい涼やかな目にジッと見つめられ、私は冷や汗をかいた。
「はぁー…」
やっとの思いで注文を言い終えると、水を一口飲み喉を潤す。
そんな私を亜紀ちゃんは不思議そうに見つめる。
「優奈…大丈夫?
ってかさ、ここってあの女の人と、コックの人しかいないのかなぁ?二人だけ?」
「さ、さぁ?どうなんだろう」
キレイな人に見つめられるって…緊張する。
てっちゃんに抱き締められた時とはまた違った、独特な緊張感。
「でもメニューも普通でよかったぁ。ってか、普通だったのが意外なんだけど」
「意外って…亜紀ちゃん。
ここは普通のファミレスだよ」
普通…?
自分でそう言いながらも違和感を感じた。
普通では…ないかも。
色んな意味で。