君ニ恋シテル
「えっ!?」
てっちゃんと逞くんの姿を見たとたん、亜紀ちゃんは目を見開いた。
今にも叫び出しそうな亜紀ちゃんに向かって、逞くんは笑って人差し指を唇に寄せる。
亜紀ちゃんはハッとしたように両手で口を覆い、ニコッと笑う。
そして、クルッと前に向き直った。
あ…
私もいつまでも後ろ向いてたらおかしいよね。
あまりにも驚き過ぎて、体が硬直していた。
前を向く前に、もう一度てっちゃんを見ると、ニコッと微笑んでくれた。
わっ…!
私は慌てて目をそらし、前を向く。
「ちょっとかなりビックリなんだけどっ!」
亜紀ちゃんが私に耳打ちする。
私はその言葉にドキドキしながら頷いた。
もう何がなんだかわけがわからない。
後ろを振り向いたら、てっちゃんと逞くんがいた。
おさまらないドキドキを抱えたまま、aquablueが歌うステージを見つめる。