君ニ恋シテル



瞬間、胸がドキリと鳴った。



嘘…。

嘘だよ、だって…。

驚き過ぎて、頭が真っ白になる。



薄暗い中、今私の瞳に映っているのは…


てっちゃんだった。


帽子を深く被っていたけど、すぐにてっちゃんだとわかった。

帽子から覗く瞳とバッチリ目が合う。

てっちゃんの瞳は驚きに揺れていた。


隣には同じく帽子を深く被った逞くんの姿。

逞くんも私を見つめ驚きの表情を浮かべている。


なんで…なんで二人がここに!?

心はもはやパニック状態。


そんな中、aquablueの演奏がスタートし、歌声が耳の中を駆け巡る。


「ちょっと優奈!何後ろ向いてんのっ!?」

亜紀ちゃんが私に話しかけながら後ろを振り向く。
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