君ニ恋シテル
イベント開始時間が近付くにつれ、どんどん人が増えていくのがわかった。

ケーキ屋の前を見向きもせずに、若い女の子達が次々と通りすぎていく。


「楽しみだねー!
握手できるとか最高じゃない!?」

「うんうん!
あー、早く徹平くんに会いたい!」

「私は早く逞に会いたいー!
楽しみすぎる!」



………………。



私も、会いたい!!
会いたいよぉぉ…。
握手…したい。


こうなったのも全部…松野……
違う、店長のせいだ!!


泣きそうな想いを必死で堪え、私は厨房にいる店長をキッと睨みつけた。

店長はアホ面でまだケーキを食べていた。


あの、ブタ店長!!
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