君ニ恋シテル
ーーーよくわからない言い合いが落ち着くと、私はまた大きく息を吐いた。
「もー、せっかく私が抱きしめてあげようと思ったのに…」
「…」
なぜかしょんぼりなる渡辺さんの言葉を無視し、私は口を開いた。
「…とにかく、もういいのよ。これですっきりできた。心の整理がついたって言えばいいのかしら?」
「徹平のことは諦めるってこと?」
「ええ」
…ちょっとだけ、気持ちが揺れる。
それを悟られないように、渡辺さんから目をそらさず、しっかりと答えた。
「そっか…」
「言っておくけど、ゆうにゃんに遠慮してとかじゃないわよ?ちゃんと自分で納得した上での結論よ」
そう、これはちゃんと自分自身で出した答えなのだから。
「小沢ちゃんは強いね」
「何言ってるのよ…」
強くなんてない。
私の強さはいつだって…強がりが勝っている。
「多分、優奈も小沢ちゃんの気持ちに気付きかけてたと思う」
「そうね…だから焦ったわよ。部屋を出ていく時、無理してない?なんていうから」
ゆうにゃんはああ見えて、人の気持ちに敏感なタイプだと思う。気付いていないようで、実はちゃんと気付いている。
…でもほんと、悪いことしちゃったわよね。
告白大作戦とか私が言い出したせいで、こんなことになってしまって。
ゆうにゃんにはゆうにゃんのペースがあるのに、押しつけてしまった。
今回告白できなくたって、それは仕方ないこと。
今後はゆうにゃんを全力でサポートしていくわ。
もう決めたから…。
「小沢ちゃん…ほんとにいいの?」
「ええ。いいのよ。女に二言はないわ」
「そっか」
「これからはゆうにゃんを精一杯応援する。それだけよ」
「わかった」
渡辺さんは頷くと、軽く微笑んだ。
「…ゆうにゃんが戻ってきたら、盛大に盛り上げるわよっ!」
「うん!そうだね!」
「もしかしたら告白して付き合うことになってるかもしれないし、そしたら今夜は朝までお祝いね!」
「きゃあー!」
無理矢理、元気な声を出した。
ほんと言えば、これだって強がりなのかもしれない。だけどそのことにすら、渡辺さんはきっと気付いてる。だから少しでもごまかせるように、精一杯明るく振る舞った。
でも本当に、ゆうにゃんを応援すると決めた答えに嘘はない。
…徹平くんへの想いを、私はそっと胸の奥へと閉まった。
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「もー、せっかく私が抱きしめてあげようと思ったのに…」
「…」
なぜかしょんぼりなる渡辺さんの言葉を無視し、私は口を開いた。
「…とにかく、もういいのよ。これですっきりできた。心の整理がついたって言えばいいのかしら?」
「徹平のことは諦めるってこと?」
「ええ」
…ちょっとだけ、気持ちが揺れる。
それを悟られないように、渡辺さんから目をそらさず、しっかりと答えた。
「そっか…」
「言っておくけど、ゆうにゃんに遠慮してとかじゃないわよ?ちゃんと自分で納得した上での結論よ」
そう、これはちゃんと自分自身で出した答えなのだから。
「小沢ちゃんは強いね」
「何言ってるのよ…」
強くなんてない。
私の強さはいつだって…強がりが勝っている。
「多分、優奈も小沢ちゃんの気持ちに気付きかけてたと思う」
「そうね…だから焦ったわよ。部屋を出ていく時、無理してない?なんていうから」
ゆうにゃんはああ見えて、人の気持ちに敏感なタイプだと思う。気付いていないようで、実はちゃんと気付いている。
…でもほんと、悪いことしちゃったわよね。
告白大作戦とか私が言い出したせいで、こんなことになってしまって。
ゆうにゃんにはゆうにゃんのペースがあるのに、押しつけてしまった。
今回告白できなくたって、それは仕方ないこと。
今後はゆうにゃんを全力でサポートしていくわ。
もう決めたから…。
「小沢ちゃん…ほんとにいいの?」
「ええ。いいのよ。女に二言はないわ」
「そっか」
「これからはゆうにゃんを精一杯応援する。それだけよ」
「わかった」
渡辺さんは頷くと、軽く微笑んだ。
「…ゆうにゃんが戻ってきたら、盛大に盛り上げるわよっ!」
「うん!そうだね!」
「もしかしたら告白して付き合うことになってるかもしれないし、そしたら今夜は朝までお祝いね!」
「きゃあー!」
無理矢理、元気な声を出した。
ほんと言えば、これだって強がりなのかもしれない。だけどそのことにすら、渡辺さんはきっと気付いてる。だから少しでもごまかせるように、精一杯明るく振る舞った。
でも本当に、ゆうにゃんを応援すると決めた答えに嘘はない。
…徹平くんへの想いを、私はそっと胸の奥へと閉まった。
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