君ニ恋シテル
* * *
あれよあれよといううちに部屋から追い出されてしまった私は、ホテルのロビーをうろうろしていた。
っていうか、さっきからずっと疑問なんだけど、てっちゃんが待ってるって、一体どこで…?
なんとなくロビーに来てみたけど…。
てっちゃんらしき人物の姿はどこにも見当たらない。
百合香ちゃん、てっちゃんが待ってる場所言う前に追い出すんだもん…。
一体どうしたら…。
プレゼントを手に持ちながら、その辺を行ったり来たり。
というか、プレゼントはほんとにこれで良かったのだろうか…。
今更になって不安になってきた…。
だってテディベアのぬいぐるみなんてよく考えたら微妙じゃない?
ネックレスは…良いかもしれないけど、趣味に合うかどうか…。
ペアとか絶対言えないよー…。
そんな色んな想いでぐるぐるしていると…突然携帯が鳴った。
!!
ポケットから携帯を取り出し見ると、電話はてっちゃんからだった。
慌てすぎて落としそうになるも、なんとか持ちこたえて通話ボタンを押す。
「…もしもし」
わっ、緊張で声が震える…。
最悪だ…。
『優奈ちゃん?今どこ?』
「…えっ、と、今はロビーに」
『百合香ちゃんに優奈ちゃんが来るから待っててって言われたんだけど、中々来ないからどうしたのかなって思って』
「あっ…!ごっ、ごめんねっ…!場所がわからなくて…」
わあー、私が中々来ないから電話をくれたんだ…。
「今すぐ行くね!」
待ってる場所を聞くと、私は急いでてっちゃんの元へと向かった。