ラストリグレット
1、枯れ木の森で
同じ空なのに、同じ青色なのに。どうして季節によって見え方が違うんだろうな。

空気の違いだからか? 寒いから寒々しく見えて、暑いから爽やかに見える。

不思議な事だ。季節は冬。人間どもの世界では恋人が浮かれ、そうでない奴らはひがむ季節らしい。

中にはそんな恋人連中に“死ねば良いのに”と思う奴もいるようで。

死ねば良いと言うのは“仕事的”にはあまり喜ばしい言葉ではないが、バカバカしいとは思う。

この世界ではそんなのないし。あったとしたらバカじゃないの? って、話。

死にかけの命を刈って、一応学校にも通って。休みの日にはただやりたい事をやる。

それが死神。知り合いの奴は人間の世界で学校に通っているらしいけど。何が楽しくて通っているんだろうな。

こっちの世界にだって学校はあるんだし、わざわざ人間の世界の学校に行く理由が分からない。

本当にどいつもこいつもバカばかりだな。俺達死神が悪さをしないように、といる監視者の奴と言い。

おかげでまあ退屈はしないけど。

そういえばこの季節には世話になっている奴に、プレゼントを贈るのが礼儀らしい。

気は進まないが、俺を監視する奴に何かプレゼントしてやろう。
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