デスペリア


無論、ニズカも残った。


撃たれた死体が項垂れているのを見て、目を背ける。


“残飯処理”は下の勤めだ。後から誰かしらが掃除しに来るのだろう。


「君はどう思うかね?」


会議が終わり、初めて見物人から脱退したニズカに質問が投げかけられた。


別段、不思議ではない。


総帥はいつも会議が終わると、こうしてニズカに質問を出すのだ。


もはや習慣。


「自分は、スライド共和国に応援に行くべきかと」


だからこそ、総帥がどんな答えを欲しがっているのかが分かる。


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