デスペリア


「マジでつまんねー。ぶっ飛べねえじゃん。さっさと死ねや」


更に踏み潰そうとした魔物だったが――部屋の扉がいきなり開かれ、先手を撃たれた。


撃たれたのだ。


「魔物めえぇ!」


拳銃を持つ男が魔物に鉛玉をぶちこむ。


全六発の弾を使おうとも、理性が暴走したのか、かちかちと男は引き金を引き続けた。


ネタ切れのところを見て、魔物は舌打ちをする。


負傷した。死にはしないが、深手だ。


「あーあ」


最悪と言わんばかりに魔物は治療のために、窓から飛び降り、部屋から出ていった。


ごとりと入ってきた男は倒れて、ぶつぶつと何かを言い始める。


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