コンドームを買いにいく夜は
空は暗かった。苦そうな顔。

大きな月を雲が抱きかかえるような感じの夜空。

そんな顔をの下を独り歩きながら裸の女のもとへと戻る。

ドアの鍵が開いてた。
靴もないだろう。無かった。
女はいないだろう。いなかった。

ベランダに出て煙草に火を付ける。

「ヤれればいいのか」

別の雄のところへ言ったのだろう。

俺は何人目の雄だったんだろうな。

独りで苦そうな顔を見ながら噴出してしまう。


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