夢の続きで逢えたら

昨日だって、

本当は大輔に「幻聴はありえない」って否定して欲しかっただけ。


なのに僕がムキになってしまったばかりに、

後味が悪くなってしまった。



「どうしてそんなこと聞くの?」

「いや、なんとなく」


「なんだ一軌。医者にでもなりたいのか?」


父さんがコーヒーをすすりながら僕に言った。


「まさか。僕は医学部じゃないんだから」


「まぁ気になるんなら、母さんの実家の近くに、よく世話になった医者がいるから聞いてみるといい」

「別にそこまで…」





短かった空の旅も終わり、僕らは空港へと到着した。


さらにここからバスを一時間ほど走らせた、

田舎とも都会とも言えない場所に、

母さんの実家がある。




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