夢の続きで逢えたら
「信じてるよ。もちろん。でも本当に難しいんだ。今までの詩野の努力見てればわかるだろ?」
「近くで見てきたからこそ信じるんじゃねーか」
「だから信じてるって」
「いや、お前はまだどっかで疑ってる」
浩二の目つきが段々と真剣になっていく。
「はっきり言って、やるのは詩野ちゃんだ。俺達じゃない。でも、こうしてる間にも、俺達にできることは…」
「信じること…でしょ?」
「そう。詩野ちゃんにだって必ず伝わってるはずだ。そこで少しでも疑ってみろ。詩野ちゃんは…」
「不安になるだろうね」
「俺は能力者でもなんでもないけど、そういう見えないとこでの絆っていうのは絶対あると思うんだよ」
「そうだね。浩二の言う通りだ。どうしてもさ、詩野が頑張れば頑張るほど、嫌なことが浮かんじゃって…」
「まぁわからなくもないけどな。お前が一番近くで見てきたから。でもそこを乗り越えないと」
「浩二は?信じてる?」
「当たり前だろ。俺はオーディションが難しいとかどうとか、そんなもん知らない。理屈は嫌いだから。ただ不器用で、他に何もできないだけなのかもしれない」
「それが…浩二のよさだろ?」
「かもな」
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