夢の続きで逢えたら

「どうかな。まだ聞いてない。ただ…」


ただ?



「当分は歌えないと思う…」

「でも、明日には退院できるんだろ?」

「それとこれとは話が別だ。歌うことは思ってる以上に体力使うんだ。今身体に負担かけたら、当分どころか一生ってこともあり得る」

「病気自体、休養してれば治るのかよ?」

「それは…」



おそらく進行が遅れるだけだろう。



この場所で、また詩野の歌を聴ける日はいつになるの?


僕の居場所は?僕の役目は?


夢が、詩野が、心の中で膨らんで、そのまま何もなかったかのように遠ざかった。



残された手段は…










「手術」



それが唯一の光……





.
< 185 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop