夢の続きで逢えたら

それから浩二は、

『とにかく今は詩野ちゃんのこと考えて、そっとしといてやれ』

そう言って公園を去った。



神様は意地悪だ。


僕や詩野に、まさかこんな試練を与えるなんて…




詩野や大輔に連絡しようとしたが、いざ一歩踏み出そうとすると、

『一番辛いのは詩野ちゃんなんだ』

そんな浩二の言葉が甦り、邪魔をする。



詩野は、これからどうするつもりなんだろう。

本当に歌わないの?

あんなに好きだった歌を。

もちろん手術だって頭にあるはずだ。

ただ、北海道に行った時の先生の話が本当なら、成功率は決して高くない。

むしろ低い方だ。その代償はあまりにも大きい。

下手すれば夢を奪われる。

それだけならまだいい。夢への挑戦自体奪われる可能性がある。



詩野…


今、君は何を想う?






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