夢の続きで逢えたら

一階に降りると、父さんが新聞を読みながらくつろいでいた。


「あれ?仕事は?」

「今日から休みだ。お前ももう冬休みだろ」


そうだ…

最近学校にあまり行ってなかったし、すっかり忘れていた。


「母さんは?」

「買物に出掛けてるよ。ケーキ買いに行くって」


ケーキ?


あぁ…そっか。今日は…


それすらも忘れていた。



「今日は家にいるんだろ?」

「い、いや今日は…」

「なんだ?いないのか?」

「九時頃までには戻るよ」

「とにかく今日中には帰って来なさい」


新聞をたたみながらそう言うと、父さんは寝室へと向かった。


この感じ、なんか久しぶりだ。


詩野に出逢う前の日常は、いつもこんな感じだった。


僕は毎日のように刺激のない日々に退屈を感じ、目標のない自分に嫌気がさしてた。


そんな時、あの公園で詩野に出逢ったんだ…





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