夢の続きで逢えたら

僕は今までドラマや映画で感動したことなんてないし、

卒業式の時だって一度も泣かなかった。


そんな感情的でない僕が、人生で初めて感動して、心を動かされた。

それが詩野の歌なんだ。



優しくて繊細な心と、内に秘めた闘志を、

最初から感じていた。


まだ話したこともなかったのに、気付いたら、

恋に落ちてた…






まだ君と一緒にいたい。


君を知りたい。





もっとたくさん話そうよ。





またこの場所で、

僕の夢が始まったこの場所で、

僕らの思い出が詰まったこの場所で、




もう君は、歌わないの…?




午後六時。


凍えそうな夜に、僕は噴水の向いにあるベンチから、


大好きな詩野に、そんなメッセージを送った。






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