夢の続きで逢えたら

「あの夢を?」

「うん…。だから今日、もしかしたらここに一軌がいるんじゃないかって。そう信じて…」


「最後に…最後に詩野が僕にくれた物、覚えてる?」


「『再会』のアロマ缶と…」


本当に同じ夢を…

奇跡は何度だって起こる。

僕は俯き苦笑いをした。

「いいんだよ。言わなくて。こうして再会できたんだ…」


詩野は自分の掌を見つめ、そのままそっと胸に押し当てた。




「手紙…」


「え?」


「今も昔も…、夢も現実も、私の気持ちは変わらない」





「夢も現実も…?」







「あなたが好き」




僕は、まだ何か言おうとした詩野の腕を強引に引っ張り、

強く抱きしめた。




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