夢の続きで逢えたら

「おはよう」

「ちょっとあんた、またエアコンつけっぱなしで寝たでしょ?」


僕の分の朝食を、

テーブルの上にテキパキと並べながら母さんが言った。



「あぁごめん」

「電気代かかるんだから、タイマーちゃんとセットしなさいって言ったじゃない」

「だからごめんって」


「まぁ暑いんだし、別にいいじゃないか」


新聞を大きく広げる父さんが呟いた。


「もう、相変わらずあまいんだから」




「それより一軌、勉強はしてるのか?」

「勉強って…父さん、今夏休みだよ?」

「でも就活もそろそろ始まるだろ」

「そうだけど」

「しっかり準備はしとけよ」

「わかってるよ」



「それでお坊ちゃま、今日はどこにお出かけですか?」


皮肉を込める感じで、

毎日遊んでばかりの僕に母さんが言った。


「海だよ」


そう答え、

朝食を一気に流し込むと、僕は食器を片し、そのまま自分の部屋へ戻った。




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