俺がお前を守るからだからお前は…

 萌は必死に死から逃れようとする。

 「初めから汚い?萌は汚い?最初から?そうか。そうなんだ。なら、いらない。汚い萌はいらない。綺麗な萌のまま死ねばいい。僕の中で果てればいい。萌はいらない。さぁ、壊そう。僕が、僕の手で。萌を壊し、焦がし、汚し、殺そう。」

 立ち上がった南よりも前に、俺は萌に近づいた。

 それに気づいた萌が震える。

 「やだ…やだぁ…!おにいちゃ…お兄ちゃん!私何も悪いことしてない!助けて!助けて!お兄ちゃん、お兄ちゃん!」

 壁まで追い込むと、萌は懇願から罵声に変えた。

 
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