゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。
*どしゃ降り*


 雨がふっている。


ぼたぼたとまとわり

つく、ざあざあぶ

りの重たい雨が。

頭をおさえつけられ

るような、傷口にた

まって体を冷やすよ

うな、もがきたくな

るような、息ができ

なくなりそうな雨が。

藻のようにうっとう

しい水滴の襲撃に、

打ち身だらけのあた

しは体の表面だけが

生きているように感

じる。

誰かがあたしの心臓

をしぼっていて、あ

たしの中身は捌け口

を求めて、目頭から

目尻からどんどんし

たたり落ちていく。

鼓動が、止まりそう

なくらいゆっくりに 
なって、呼吸は必要

以上に深くなって、

どんどんどんどんど

んどんどんどん。

あたしが、したたり

落ちていく。


そしていつか……

もう
きっと、いつか、

空っぽになってしま

うと思った。

小さな穴から中身を


されてしまったタマ

ゴ飾りみたいに。

そうしたら、あたし

は、もう生きている

とはいえない。


ねぇ、なんで?


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