つむじ風。

コノミとの関係はしばらく続いた。

俺のことが欲しくなったら、
向こうから連絡がある。

断る理由がないから、会う。
そう、断る理由がないんだ。

相変わらず俺はベッドに横たわるだけで、
事の全てはコノミが思うように進める。

「亮二くんてさ、
昔からこんな感じなの?」

「…こんな感じって…何?」

「さめてるっていうか、
こういう時にでも感情を表に出さないっていうか」

髪をいじりながら女は言った。


こんな時だからだよ。

俺がここにいるのは
あんたを愛してるからじゃない。

もし、本気で惚れてたなら、
俺は全力であんたの身体に応える。

ただ横たわって、
俺にまたがる目を閉じたあんたの顔を
眺めてたりなんかしない。

本当に愛した女なら、
爪の先から、髪の毛の一本にいたるまで

俺は、その全てを愛し尽くす。


「…ああ、ガキん時からこんなやつだったよ」

そう言って、俺はベッドから出た。
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