Forbidden Love
―……


翌朝。


私はカレンダーを見た。



『もうすぐ…バレンタイン…か』



そして――怜央の命日…。


ベランダから隣を見ても、人の気配はない。

まだ帰ってきてないんだ。


時計を見るとまだ5:30。




『…あれ?

甘い香り…?』



私はキッチンからする甘い香りを追った。



『―お母さん!?』


「あら、おはよう。
起こしちゃったかしらコレで?」



手にはココアの入ったカップルが握られ、

寒いキッチンの中――
白い湯気を昇らせる。



『いつ帰ってきたの?』



「ちょっと前よ。

―ごはん…一緒に食べよっか」



私は嬉しくて何度も縦に頷いた。



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