恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 それに比べて、私ときたら。

 顔はまあまあ悪い方ではないと思うが、

 食べたら食べた分だけ肉が付いてしまう体を

 必死に絞り続けている。

 頭脳は何とか平均以上を保っているけれど、

 万年お茶汲み要員間違いなしのキャリア。

 私はいつだって、中の上。

 お邪魔している梨香のマンションは、

 今日も広くてモデルルームのように片付いて、

 キャリアウーマンの風格を物語っているようだ。

 ちなみに私は、

 一応実家を出ているが、

 ワンルーム10畳の部屋だ。

「それで、例の彼とはどうなの?」

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