恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
梨香の指摘に、私は真っ向から立ち向かう。
「イケメンじゃなきゃイヤだもん」
そう、イケメンじゃなきゃイヤなの。
カッコ悪い男なんかと一緒にいたくない。
私はそのために努力してるんだ。
イケメンに見合う、キレイな女になったんだ。
「気持ちはわかる。だけどね、あんた。ケータイ小説に影響されすぎ」
「だって、梨香だって読んだでしょ?」
もう一度携帯を開いて見せる。
画面はもちろん、
「ドS彼氏と甘いひととき」
梨香は顔を引きつらせた。