恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 陣内アンテナがマックスだった私は、

 物凄い勢いで課長の方を向いたと思う。

「な、なぜそれを?」

「目撃証言があったのよ」

「そうですか」

「あなた、昔北川くんと付き合ってたのよね?」

「な、なぜそれを?」

 課長はなかなかの情報通らしい。

 芸もなく同じ返し方をしてしまった。

「それは本人から聞いたのよ」

 そうですか、と返すのはやめておこう。

 そして課長は真剣な顔のまま

「何の嫌がらせかと思ったわ」

 独特のハッキリした口調でそう言った。

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