恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 大輔はホッとしたように情けなく笑った。

「それで、偶然その彼と出くわしちゃって」

 思い出すと、鳥肌が立った。

 ふと打ち付けられた後頭部に触れると、

 タンコブになっている。

 ジンと痛む。

「無理矢理路地に引き込まれて、平たく言うと、襲われちゃって」

「はあっ?」

 大輔は急に私の両肩を掴み、

「お前、大丈夫なのか?」

 と上から右から左から私の異常を探そうとする。

「大丈夫。軽く殴られたくらいだから……」

「な、殴られた?」

 途端険しい表情になって、あったかい手で私の頬を撫でる。

 やめてよ、自分の気持ちに気付いたんだから……。

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