恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 あんな酷い振り方をした私に、

 どうして優しくしてくれるの?

 どうして抱きしめてくれるの?

 その答えは聞けないまま。

「帰ろう」

 優しくそう言った大輔の胸の中で、

 私は頷いた。

「うん」

 私たちはタクシーに乗り込んだ。

 車内ではしっかり手を繋ぎ、肩を借りた。

 普段は足を運ばない土地へ、車は進む。

 たまに大輔が頭を撫でてくれると、

 私はその度に泣きそうになった。

 心底過去の恋愛を悔やんだ。

 そして、大輔と別れた過去の自分を呪った。

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