【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】
「はあ……。いいでしょう。盗みに来たわけではないみたいですし、今回は見逃します。もう二度と、この屋敷に近づかないように」
「はい、すみませんでした……」
さすがに他人の家に無断ではいけないと常識は分かるらしく、幽霊は頭を下げた。
槍をしまい、クラウンは命令遂行のため、エントランス奥にある書斎に行こうと。
「マッターっ」
「なんで――」
すか、と言う前に、一陣の風がクラウンの髪を撫でた。
後ろに幽霊はいない、前を見れば、書斎入り口扉の前で通せんぼする幽霊がいた。
どうやら、先ほどの風は幽霊が通りすぎたかららしい。どうりでひんやりなわけか、とクラウンは髪を整えた。