【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】
「勝手に住み着いた幽霊に語る名は……、致し方ありませんね。クラウン・セバスと申します」
「指揮者さん?」
「いえ、執事です」
クラウンが着ている燕尾服で指揮者を想像したらしい幽霊にやんわり断りを入れる。第一、今までの会話で執事ではなく指揮者をぽんと出すあたり頭は弱いらしい。
クラウンにしてみれば、頭のネジが抜けていると一連の会話で見て、今の段階では歯車が噛み合っていない頭だと認識した。
結論、話し合っても無駄。
「日本語のことわざで、『馬鹿は死んでも治らない』とありましたが、いやはや、まさか体験してしまうとは」
生きる伝説ならぬ、死んだ伝説に出会ってしまった。自慢には出来ないだろう。言った瞬間に非現実的だと鼻で笑われるだろうから。