【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】


向けられた笑顔に、幽霊はひぃぃと一歩引いた。


笑顔なのに怖い。どこが、そこはかっ、とツッコミたいが言ったら余計に怒りそうなので空気を読んだ。


「あ、ぅ、あう……」


「もう面倒ですから、直に進みます。危害を与えられませんが、そちらとて同じようですから」


今の今まで逃げ惑うだけだった幽霊に出した結論だ。


進めば通せんぼされたが、気にせず進む。


「や、だめっ、やーっ」


クラウンの腕を掴み、幽霊はなんとか止めようとするが、ズルズル引きずられる形になる。


「やめっ、やめてーっ」


「……、悪役ですね、私」


< 45 / 87 >

この作品をシェア

pagetop