【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】
向けられた笑顔に、幽霊はひぃぃと一歩引いた。
笑顔なのに怖い。どこが、そこはかっ、とツッコミたいが言ったら余計に怒りそうなので空気を読んだ。
「あ、ぅ、あう……」
「もう面倒ですから、直に進みます。危害を与えられませんが、そちらとて同じようですから」
今の今まで逃げ惑うだけだった幽霊に出した結論だ。
進めば通せんぼされたが、気にせず進む。
「や、だめっ、やーっ」
クラウンの腕を掴み、幽霊はなんとか止めようとするが、ズルズル引きずられる形になる。
「やめっ、やめてーっ」
「……、悪役ですね、私」