【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】
「――、ぁ」
体の奥深くから寒気を感じ、鳥肌が立った。
平均感覚が崩れてなんとか持ちこたえようとするも、蝶が体に当たる度に不調が見受けられた。
たまらず、膝をつく。
気持ち悪さなど明らかなる不調ではなかった。
「っ……」
心が割れていく。
割れた隙間から暗いもやが溢れて体中にまん延し、身体機能に害を出しているようだった。
――苦しい。
呼吸は正常、体は無傷、病もなし。だというのに、苦しかった。
何がどうとは言えない。苦しいという言葉だけがまとわりつく。