【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】
「“もう何もかも嫌だ”」
冷気が満ち溢れた。言い知れぬ気配に、クラウンは幽霊と距離をあける。
騒霊ではない、言うならば静霊だろうか。
泣きじゃくる幽霊の体から細かな結晶が羽を伸ばしていた。
音もなく、キラキラ光る結晶は蝶のよう。もしくは妖精精霊の類いか。
それが無数に飛び散る。
あちらこちら、もちろんクラウンにも向かってきた。
切るのはためらわれたが、そうするしかなく蝶に刃を通したが、幽霊同様にスカすだけ。
刃を抜けた蝶がクラウンの体を通りすぎて。