【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】
「っっー」
悲鳴すらもあげられない恐怖らしく、幽霊は壁際まで退散した。
で、だ。
後はシンプルに、クラウンは書斎まで進むだけ。
時折、待ってと来る幽霊さんには、手にある“生きた武器”を突きつければ、自分から後退していった。
ある種の鬼だ。
掴まれたゴキ……ああ、いや、ソレも、そんなことで身動きを封じられているのならたまったものではなく、かさかさと動くが離してはもらえなかった。
やっと解放されたのは書斎に入って。一目散に棚の隙間に身を隠した。
「さて……」
空間を歪ませ、あちらまでの近道を作る。
あとはひょいひょいその歪みに本を入れていくだけなのだが。
「ん?」
机の上に本が山ずみになっていたのが気になった。