執事と共に賭け事を。
「どういう意味、ですか」

「彼は、君の保護者だそうだね。もう、長いこと一緒に過ごしているように思えた」

「そうですね」

「君は、まるで彼に依存しているようにも見えたからね」


恵理夜の呼吸が止まった。


「彼も、同じように君に依存しているようにも見えたから」


ヒガキの笑みは、好青年のそれではなくなっていた。


「両親を、失って君には、彼という保護者が出来た。君にとって彼は、絶対的な庇護者だろう」


恵理夜に向けられる、黒い感情。


「羨ましいよ」


悪意に限りなく近い、嫉妬。

そんな感情を向けられる理由がわからない。
< 123 / 254 >

この作品をシェア

pagetop