執事と共に賭け事を。
「どうして、それを……」


ヒガキは、何も答えずにグラスの中身を煽った。

恵理夜の呼吸が浅くなる。


「まあ、実際問題、この船が沈むとして10人とか11人とか言う規模ではなくなるね」


冗談でも言うような明るい口調。


「でもその時の、君の運命を当てよう」


一呼吸の後、ナイフのような言葉を放った。


「君は、結論を出せずに、船と一緒に沈んでいく」


ヒガキは、再びカードを手にした。

ゲームが再開される。
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