執事と共に賭け事を。
「ここまでの追い上げてくるとは思わなかったわ」


ツバキは、くすくすと笑いながら言った。


「あの小娘を賭けに使ったにしては、上出来の接戦だったわね」

春樹は、悔しさに拳を握り締めた。

恵理夜に対する侮辱への怒り、そして自分の不甲斐なさへの怒りのやり場が無かった。


「もうワンゲームと行きましょう」


ツバキは、ドレスの裾を綺麗に捌きながら歩き出した。

春樹の口をつけられていないカクテルを手にしながら。


「どちらにせよ、次のゲームが始まる時にわかるもの」


そう言って、奥へと進んでいった。

どうやら、的を変えるらしい。
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